「その海斗ってやつモデルだったんだな。どうりでオーラが並外れていると思ったわ」

そして、ようやく口を開くと、納得したように、ゆう君は顎に手をあてて頷く。

「私がこうして変わることが出来たのも海斗さんのお陰なの。だから、すごく感謝してるんだ」

溢れるこの気持ちは、とても一言じゃ言い表せない。

だから、海斗さんがフランスに行くまでの間、これからも沢山感謝していこうと。

私は改めてそう感じながら、胸に手を当てた。


「確かに。俺もあれがきっかけで、本気で加代と向き合おうと思ったし」

すると、ぽつりと呟いたゆう君の思わぬ発言に、私は勢いよく顔を上げる。

「あの時はかなり衝撃を受けたよ。お前があまりにも綺麗だったから。それ以降、ずっと加代のことが頭から離れなかったんだ」

それから、気恥ずかしそうに胸の内を明かしてくれて、私は暫く開いた口が塞がらなかった。


まさか、ゆう君にそこまで思われていたなんて。

後からじわりじわりと込み上がってくる、感動とむず痒さに少しでも油断すると顔がにやけてしまう。

「……で、その撮影の時の写真持ってるんだろ。今度見せろよ」

暫く余韻に浸っていると、急にぶっこんだ要望を投げつけられ、私の意識は一気に現実へと引き戻された。

「それはダメ!恥ずかしいから絶対に嫌っ!」

いくら仕事とはいえ、海斗さんとの絡みをゆう君に見せるわけもいかず、必要以上に拒否してしまった私。

「何でだよ。別にいいだろ」

それが余計気に触れたのか。 

ゆう君は眉間に皺を寄せながら尚も迫ってくる。


「それよりも、ゆう君はあの時何であそこにいたの?」

逃げ場を失いそうになる手前。

ふと浮かんだ疑問に、私は思いっきり話を逸らした。