黒縁メガネとワンピース

恵梨香の話に私も引っかかるものを感じ、顎に手を当てて暫く考えに耽る。


図書室で言われたあの言葉は、一体どういう意味だったんだろう。

それに、なんであんなにも辛そうな顔をしていたのか、あれからその疑問だけがずっと残り続けていた。


「……あたし、思うんだけどさ……」

すると、突然ぽつりと呟いた恵梨香の一言に、私は顔を上げる。

「岡田って、加代のことが好きなんじゃない?」


そして、真顔でさらりと言ってきたことに、私は絶句した。


「何言ってんの?冗談はほどほどにしてよ」

ようやく思考回路が動き始めたところで、有り得ないと。

乾いた笑いを見せると、それが不服だったようで、恵梨香は頬を膨らませて私を軽く睨みつける。

「だって変じゃない。ただ紺野のことが好きかどうかっていうだけなら、普通そこまでの態度とらないでしょ?」

それから、鋭いところを付かれてしまい、私はまたもや言葉に詰まってしまった。

「岡田があそこまで悩むのは、加代の存在があるからじゃないの?きっと、あいつ紺野と加代の狭間に立たされてるんだと思う」

そう断言する恵梨香の表情はとても真剣で。

軽く受けながすような雰囲気ではなくなり、私はなんて返答すればいいのか分からず、言い淀んでしまう。