__次の日。
騒めく教室の中で、私は恵梨香の厳しい尋問責めにあっていた。
自分の席に座り身を萎縮させ、向かいには机に手をついてぐいぐいと問い詰めてくる恵梨香。
側から見れば、まるで取り調べを受けているような光景に、若干周囲の視線が突き刺さるけど、私は構わず今までの出来事を全て恵梨香に話した。
「……なるほどね」
ようやく、事情を呑み込んだ恵梨香は、大きな溜息を吐いて頬杖をつく。
「昨日加代達が帰った後、岡田に問い詰めたの。そしたら、お前には関係ないの一言で終わって。あいつ、まじでムカつくわ!」
段々と怒りが込み上がってきた恵梨香は、私の机を拳で殴り、眉間に皺を寄せて悪態をついてきた。
というか、あの場で問い詰めるなんて、流石は恵梨香様。
相変わらず私の事を想ってくれていることは、とても嬉しいけど、その威勢には毎度圧倒させられる。
「でも、なんだか凄く思い詰めたような目をしてたな。苦しんでいるような、そんな感じ。だから、それ以上は何も言えなかったの」
それから、恵梨香は腕を組みながら、何か考え込むように視線を明後日の方向へと向けた。