「とりあえず、今年はもう少し近寄って、せめて普通にして下さい!」
一人で回想している間も、尚ゆう君と司会者は揉めているらしく。
ほとぼりが冷めるまで、私はその様子をただひたすら傍観していた最中だった。
「分かったよ。それじゃあ、近寄れば良いんだろ?」
ゆう君は不敵な笑みを浮かべ、私の方に視線を向けた直後。
当然彼の腕が伸びてきて、私の腰に触れた瞬間。
思いっきり体を引き寄せられ、その反動でバランスを崩した私は、ゆう君の胸板に倒れ込んでしまった。
同時に本日最大音量の悲鳴と、どよめき声が会場中に響き渡る。
なんだろう。
このデジャブ。
私はまたもや現状に思考がついていけず、まるで電池の切れたオモチャのように固まってしまった。


