「っで、いつ着るの?」

すると、一向に反応を示さない私に苛立ちを感じ始めた恵梨香は、眉間に皺を寄せ、更に催促してきたので、私はたじたじになりながら視線を泳がす。

「わ、私は海斗さんとの約束があるから……」


そう。

この衣装作りを相談した際に持ち出された、とある条件。

それは、メイド服を着る時は海斗さんにスタイリングをしてもらうこと。

昨夜も念押しされた為、私はその約束を果たすため海斗さんが来るまでは、着替えないことに決めた。

……と言うよりは、着替えたくないと言った方が正しいのか。

やっぱり私にとってメイド服はかなりハードルが高く、あの時のように海斗さんのプロ顔負けのスタイリングがなければ人前に出る自信がない。