黒縁メガネとワンピース

私も出来る事なら、今すぐにでもこの場を離れたい。けど、もう逃げないと決めたのだから、ここは正々堂々としなくてはダメだと。

そう自分に言い聞かせ、拳を強く握り締めながら、先程からこちらを睨んでくる紺野さんの目を見返す。


「おい。何でそこまで当たり強いんだよ。加代はお前に対して何もしてないだろ」

そんな様子を見兼ねたゆう君は呆れ顔で間に割って入り、私を庇ってくれる。

一方それが癇に障ったようで、今野さんは眉間の皺を益々深くさせながら、ゆう君に一歩詰め寄った。

「あたしはただ、佑樹に馴れ馴れしく近寄ってくる女が気に食わないだけ。だって好きなんだから、そう思うのは当たり前でしょ?」

そして、何の躊躇いもなく思いの丈をぶちまけた紺野さんの潔い言動に、面を食らう。

ここまで正直でいられるなんて、私には到底真似できない。

それを、こうして平然とやってのける紺野さんの強さと、彼に対する想いを見せつけられたようで、少しだけ気後れしてしまう。

「あの……ご存知だと思うんですけど、私もゆう君の幼馴染です。ただ話してるだけでもいけませんか?」

だけど、私も負けじと、怖気付く心を抑えて反論する。