「……ふあ~……ねむい」
寝不足のため、未だ頭が朦朧としている中、眠気まなこを擦りながら、私は通学鞄を肩にかけて玄関へと向かう。
結局、昨日はあれからなかなか寝付けなくて、布団に入ったものの、一時間くらいベッドでゴロゴロしてしまった。
ようやく眠りについたと思えば、直ぐにけたたましくなる目覚ましに起こされ、なんだかんだ二、三時間程しか眠れていない。
今日もまた、早朝の文化祭衣装作りがあるので、私は重い体を引きずりながら、伯母さんに行ってきますの挨拶を交わして、玄関の扉を開く。
「おっ、加代じゃん。今日もまた早いな」
すると、丁度早朝ランニングから帰ってきた俊君と鉢会い、少しだけ目が冴える。
半袖Tシャツ短パン姿のため、黒く焼けたがっちりとした逞しい筋肉質の腕と足が際立つ。
加えて額に流れる汗を襟で拭う際に、ちらりと見えた割れた腹筋。
その男らしい体つきに自然と頬が熱を帯びていくのを感じ、私はつい視線を逸らしてしまった。
おそらく、こうして本人の知らないところで、ファンはどんどん増えていくのだろうなと。
しみじみとそう感じながら、とりあえず笑顔で彼を迎える。


