私は重い足取りで校門を出た。 楽しみにしていた小説だったけど、なんだかそんな気分になれず、今日は真っ直ぐ家に帰ることにした。 私の家はここから二駅離れた場所にあり、通学時間はトータル一時間かからないので、比較的近い方だと思う。 住まいはマンションで、今は私と母親の二人暮らし。 父親は私が物心つく前に交通事故で他界してしまった為、全く顔を覚えてないし、記憶も皆無に等しい。 母親は終始明るく笑顔が絶えない人だから、はっきり言って父親が居ないことに寂しさをあまり感じたことはなかった。