黒縁メガネとワンピース

「二人ともそこまで。ごめんね、恵梨香ちゃん。こいつバカ正直だから、女心とかそういうの全然分からないんだ。だから、許してくれないかな?」

ゆったりした口調と、とろけるような甘い声でお願いされた効果は絶大で。

恵梨香は一瞬にして大人しくなると、今度は頬を真っ赤に染め、目を輝かせながら海斗さんを見返す。


「はい!許しますっ!」

そして、あれ程怒り狂っていたのに、今では俊君なんて眼中にない程の豹変ぶりに暫しの間呆気に取られるも。

とりあえず二人のバトルが収束したことに、私は小さく胸を撫で下ろした。


そんな恵梨香とは裏腹に、俊君は尚も不服そうな面持ちで舌打ちをすると、それ以上口を開くことなくさっさと二階へ上がって行ってしまった。