黒縁メガネとワンピース

◇◇◇


「あははは。加代が衣装班のリーダーなんだ」

ホームルームが終わり、丁度部活に行く途中だった恵梨香と鉢合い、事情を話した途端お腹を抱えて爆笑されてしまった。

「ち、ちょっと、笑うとこじゃないんですけどっ!?」

それがとても悔しくて、私は眉毛をへの字に曲げながら頬を膨らます。


「ごめん。だって、加代が文化祭の準備をする中心人物になるなんて全然想像出来ないからつい」

未だ笑いが止まらないのか。
肩を小刻みに震えさせながら、恵梨香は涙目で視線を向ける。

そんな様子に、若干の苛立ちを覚えた私は、深いため息と共に、肩が思いっきり下がった。


「ちなみに、恵梨香のクラスは何やるの?」

「うちのクラスはチャイナカフェ。一度でいいからチャイナドレス着てみたかったんだよね」

気落ちする私とは裏腹に、うっとりしながら宙を見上げる恵梨香。


チャイナドレスか……うん。

確かに、似合いそう。

てか、私と違ってこの美貌だから何着たって似合うんだろうけど。

私も明後日の方向に目を向けながら恵梨香のチャイナドレス姿を想像していると、ふとあることを思い出し、視線を元の位置に戻す。