黒縁メガネとワンピース

「では、衣装班のリーダーは山田さんで!」 

「……はい!?」


ぼんやりと思考を巡らせている中、不意打ちの如く学級委員に突然指名され、完全に油断していた私は思わず間抜けな声が出てしまった。


「賛成。山田さん凄く器用だもんね」

「そうそう。この前の家庭科だってミシンの使い方とか超上手かったし」

「衣装班のリーダーは山田で意義なしです!」

次々と賛同の拍手が湧き起こる中、一人状況に付いて行けず置いていかれる私。


一体いつからそんな話になったの?


今年の文化祭も我関せずと見送ろうとしたのに。

まさかの知らぬ間に衣装班のリーダーに抜擢されるという予想外の事態に、頭の中は未だ真っ白のまま。


「それじゃあ、次は内装班のリーダーね……」

本人の意向は全く気にしないのか。有無を言わさず話を切り変えてくる学級委員。

何とか抗議しようと試みるも、勇気を出して振り絞った声は白熱するクラスメートの声で見事にかき消され、まるで聞く耳持たずの仕打ちに私はただ項垂れるしかなかった。