「あ、私の天然パーマ、まとまりもなくて、雨の日なんか特に困るんですけど」
「……え?」
「でも羊みたいに、可愛い動物に例えてもらえたなら、嬉しいなって思って……」
勢いで話していたけれど、だんだん冷静になってきて、最後は声が消え入りそうなくらい小さかった。
(わぁーっ!!! 私、何を勢いで話しかけているの!?)
絶対に引かれている。
何、この女って思われている?
早くどっか行けよとか思われている?
「……と、いうことで、あの、失礼致しました……」
退散しようとする私の手を、宝良くんがぎゅっと握った。
「!?」
宝良くんは、
「羊、好きー」
と、ニコニコ笑ってくれる。
思わず私の頬も緩む。
(天使がいる……!!)
「ボク、宝良。えっとねー、えっと、五歳になったんだよ」
いきなり始まった自己紹介に、私は頷きつつ聞き、
「私はりんごです。十七歳になります」
と、答えた。



