「だから何?」
「家の鍵、貸してくんない? 家に忘れて来ちゃって……。それか一緒に帰ろう」
「はっ!?」
私は盛大に嫌な顔を作り、歩きながら鞄の中を漁る。
傘が邪魔で、探しにくい。
「えーっと、どこだったっけ? 鍵、鍵〜〜!!」
「あれ? なんか焦ってんの? それか不機嫌?」
「いや、そういうわけじゃないけどーーー!!」
なんで、今!
このタイミングなんだよ!!
校門が見えてきた。
背の高い男の子が、傘を差して立っている。
(空良くんだ!)
空良くんは、通りがかりの女子生徒に、チラチラ見られている。
ここからじゃ見えないけれど、多分彼女達の目はハートになっているに違いない。
「あっ! あった!! 鍵!!」
「マジで鞄の中、整頓したほうがいいよ」
「うるっさいな!!」
私は裕悟に家の鍵を渡そうとしたその時。
「りんごちゃん!」
と、声がした。
空良くんが、私を見ている。
「……ん? 誰? あのイケメン」
と、裕悟の呑気な声。



