(……来ないなぁ)
窓の外を見る。
(雨は降っているのに)
どうしてだろう?
もしかして、何かあった?
まさか……、事故とか?
(いやいやいや……)
不安な心を拭いたくて。
スマートフォンを開く。
「あっ……」
(私、ふたりの連絡先を知らないんだった)
さっきとは違う種類のドキドキが、私を襲う。
(もしかして嫌になって、図書館に来るのやめたとか?)
面倒になった?
嫌になった?
私、この間何かしたっけ?
時計を見ると、もうすぐ閉館時間になる。
(もう来ないよね?)
泣きそうになりつつ、私は談話室を出て、持っていた本二冊を元通りの本棚に返した。
傘立てに立ててある傘が、私の物だけになっていて。
自分だけ取り残された気分に陥る。
「会いたかったのに」
呟くと、涙の粒がポタッと図書館の床に落ちた。



