雨をとじこめて


「ねぇ、本当に梅雨入りしたのかな?」



リビングでゲームに夢中になっている裕悟に話しかけると、
「え? あ、ごめん。今、無理」
と、つれない反応しか返ってこない。



「何よぅ、あんた、お姉ちゃんの相手してよぉ」



裕悟の肩をグラグラ揺らすと、
「ちょ、バカ、やめ!」
と言ったすぐあと、裕悟のゲーム機から何やら残念な音が流れた。



「……ごめん」

「いや、まぁ、いいけど」
と、裕悟がゲーム機をローテーブルの上に伏せて置いた。



「何かあんの?」

「え?」

「梅雨入りしたら、姉ちゃんに何かあんの?」

「……聞いてくれる? 私の恋バナ」

「げっ!」



裕悟があからさまに嫌な顔をしたけれど、私は構わず話した。



「……ん? ちょっと待って」
と、裕悟がスマートフォンを見る。



「どうしたの?」

「いや、あのさぁ、来週の火曜日くらいから天気が崩れるらしいよ」

「えっ!」