「宝良、ご挨拶は?」
と、空良くんが言うと、
「こんにちは」
と、宝良くんがなぜか照れたみたいな仕草で、挨拶をしてくれる。
「りんごちゃんに会いたいって、ずっと言ってたから、今日雨が降って嬉しいんだよな?」
「うん、嬉しいぃっ」
もじもじしながら、私の制服のスカートを掴む宝良くんに思わずキュンとしつつ、
「私も会えて嬉しいよ」
と、宝良くんと同じ視線の高さになるようにしゃがむ。
空良くんが、
「りんごちゃん」
と、私に向かって手招きする。
その仕草に、思わずドキッとしてしまう。
宝良くんと手を繋ぎ、空良くんの座るソファーまで移動した。
「これ、あげる」
と、空良くんが私に差し出してくれたのは、リンゴジュースだった。
「えっ、いいの?」
「りんごちゃんだからリンゴジュースって安直だけどね」
と、空良くんは笑ったけれど、私は胸の奥からお花が咲いて、もう一度春がやって来たみたいな心地になる。
「ううん、嬉しい!ありがとう」
空良くんは、笑顔で返してくれた。



