雨をとじこめて




数日経って。

週末の午後。

天気が傾いて、雨雲が空を覆う。



「もう梅雨入りらしいよ」
と、リビングのソファーに座っていた一つ年下の弟、裕悟(ゆうご)がゲームの画面から顔を上げて、私を見た。



「梅雨入り……」

「姉ちゃん、また髪の毛モサモサになるね」

「それはあんたもでしょ、って、そんなことはもういいんだよ」

「ん?」



私はアイスの袋を破りつつ裕悟の隣に腰掛け、ニンマリと裕悟に笑いかける。



「何、ちょっと気持ち悪い」

「気持ち悪くない! 梅雨ってことは、雨降り!! 私にとっては天国なの!!」

「はぁ?」



そうだ。

結局あの日から晴れ続きで。

全然会えなかったけれど。



梅雨入りしたらもしかして、空良くん達と会える機会がやって来るんじゃない?

それも何度だって!



「くふふふふ……」



ひとりほくそ笑む私にがっつり引いた顔をする裕悟は、
「きっも!!」
と言い、ゲームの世界に戻って行った。