視界に泡が浮いた。
「?!」
冷たい?!熱い?!痛い?!
顔に触れようとすれば
硬質なものが指に当たり邪魔される。
箱だ。
透明な箱がわたしの頭にかぶせられていた。
その中には液体が溢れている。
パニックのまま飲み込んでしまう
喉が燃えるような痛みが広がった。
『超高濃度の酸性ボックス。
園内で作られてる特殊な液体だ。死ぬまでどれくらいかかるかな』
箱を外そうと動かすが
頭部が引っかかってしまう。
痛すぎて喉を掻きむしった。
網膜が破壊され眼球が溶けていく。
視界の断裂。
それによって他の感覚が鋭敏になっていく。
開いた口は閉じることができなかった。
内側と外側から液を迎え入れた耳の中がズタズタに破壊されていく。
音が遮断される。
ドロドロに爛れた皮膚は伸び放題。
飲み込んだ液体が肺を溶かし呼吸困難を引き起こす。
胃液が逆流し酸と混ざった。
鼻の粘膜がすべて剥がされダラダラと出血していく。
透明な箱がみるみるうちに血と吐瀉物の色でいっぱいになっていく。
それでも絶命できない。
胃に穴が空き他の臓器に液が染み渡る。
内臓を直にかき混ぜられているような感覚。
鼻から口から液を吸い込みながら溺れていく。
凄惨な時間を過ごしたあと
光も音もない暗闇の中でわたしは事切れた。



