目が覚める
飛び込んでくる青空
固いベンチ
わたしはまた生き返ってしまった。
「ベンタ」
名を呼ばれ、手を重ねられる。
「いやっ!」
感覚が敏感になっていたわたしは、咄嗟に振り払ってしまった。
背中が冷たい。
止まらない汗のしずくがベンチにぼたぼたと垂れ落ちる。
脳を駆け巡る死の感覚。
痛みはないが覚えている。
思い出せてしまう。
死にたくてもなかなか死ねない
地獄のような苦しみを───
「はぁっ、はぁっ…う、ぅ」
恐ろしかった。
一瞬で死ぬことのできた前回とはわけが違う。
こんなの、おかしくなる。
「ベンタ、ベンタ聞こえるか」
耳に響く自分自身の荒い呼吸音に誰かの声がまざる。
顔を持ち上げれば、人の顔があった。
えっと、このひと
「ベンタおれだよ、成生」
「なる、せ…」
絶望に支配されていた思考の隅っこが、少しだけ反応した。
そうだ、成生くん、わたしの味方。
この世界に一緒に迷い込んだ、友達。



