ぎゅうぎゅうにひしめき合うカラフルなアトラクションたち。
浮かぶ気球、時計台の鐘。
フリーフォールの中腹。
冷たい強風が足もとを通り過ぎていく。
「ヒィィィ!」
そうだ忘れていた。
今わたしがのぼっているのは
乗車口まで続いている高い高い外付けの階段。
もうどれだけのぼったの?
階段は網状の造りをしていて下がうっすらと見える。
絶景だけど、落ちたらひとたまりもない。
『ハッ!おまえ、高いトコ苦手なのかよ?
これからも〜っとすげぇ場所まで行くのに』
「じ、ジェットコースターは平気なの!
でも、安全装置とか備わってない、自分次第でいつでもTHE・ENDできちゃう階段とか橋とか、そーいうのがほんっとうにダメなの!」
エレベーターが平気でエスカレーターが苦手なやつ!
いまさら足が震えてきた。
「ねぇぇポピィ!手を繋いでもいい?」
『ア?イヤに決まったんだろ
汚ねーから触んな』
「あとで消毒してあげるからぁ
お願い、後生だよ〜」
『イヤだつってんだろ!オイ、…くそっ』
拒否する手を捕まえて握らせてもらう。
ごめんごめんよ、のぼりきったらすぐに離します。
なんなら半身ぴったり密着させてもらいます。
風が吹くたびポピィの手をぎゅうと強く握りしめた。
手は震えるけど、不思議なくらい鼓動は落ち着く。
「うぅ、ありがとう、ポピィ」
ポピィはなんにも喋らなかったけど、意外にも手は最後まで繋いでいてくれた。



