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乗り場まで繋がる階段を淡々とのぼっていく。
『オイ、そろそろ手ェ離せよ』
「あ!ごめん!」
ずっとポピィの腕を掴んでいたらしい。
あわてて離せば、ポピィは舌打ちをして睨んできた。
態度悪っ
まぁこれもわたしが悪いんだけど!
『なァ』
「なに?」
『おまえって、自分の命を軽く見てんだな』
突然の言葉に足が止まりそうになった。
そのまなざしはどこかわたしを蔑んでいるみたいで
「はん!何度も命がよみがえるこの世界でそれ言う?」
なぜだか、ポピィの目を見ていられなかった。
『ナルセの命より、自分の命は軽い
俺にはそう聞こえたぜ』
──成生くんが死ぬくらいなら、わたしが死んだほうがいい!
ポピィが指しているのは、さっき成生くんに放った言葉だろう。
なぜそれをこいつが気にしているのかはさっぱりわからないけど
「わたしは…自分の命の価値を正しく俯瞰できるほど、まだわたし自身のことが好きじゃないみたい」
我ながらわたしらしくない言葉だと思った。
けど、嘘ではない。
命の価値なんて、きっと失う間際にならないとわからない。
まったくポピィなんかになに語ってんだろ。
ふと、視線を右隣に向ける。
柵の外には園内の景色が広がっていた。



