「と、とにかく帰ろう。お母さん迎え来てくれるかな…」 スマホを取るためにスカートのポッケに手を入れたが そこにはなにもなかった。 「え?」 胸ポケットも確認してみるけど、やはりなにもない。 いつも肌身離さず持ち歩いているはずなのに、どうして? お腹の底からぶわりと不安がこみあげる。 え…わたし、帰れる? そもそもここはどこなの? 連絡手段も記憶も無い、からっぽな状態のわたし。 不安は指先にまで広がり、カタカタと震えはじめた。