「ベンタっ」
わたしを呼ぶ声にハッと目が覚める。
視界いっぱいに映る成生くんの顔。
その表情はすごく動揺しているみたいだった。
「なるせ、くん?」
「平気か?痛みは?」
「え?」
床に寝そべる体を成生くんに抱きしめられている。
この状況はいったい…?
ひとつまばたきをした時
頭の奥底から強烈な記憶が流れてきた。
そうだ、わたし──
『お目覚めになりましたか?』
コツコツと革靴を鳴らしながら歩いてきたのはダリ。
その手には、血に染まった斧。
『さすがベンタ様ですね。
とても冷静でいらっしゃる』
わたしはついさっき
ダリに首を落とされた。
勢いよく立ち上がり、ダリに詰め寄る。
「いきなりなにするの!!最低!
もし死んだらどうす──」
まって?
どうしてわたし
首を落とされたのに生きてるの?
「ぅ、あ…」
鈍痛の波が脳に響いていく。
ふらついた体をダリが優しく受け止めた。



