‪‬♡NAH LAND♡



「ねぇ成生くん。
どうしてわたしの名前をベンタにしたの?」



小さな声でたずねた。


名付けた本人はこちらを見ることもせず答える。



「べつに。深い意味はないよ。
頭に浮かんだからそれにしただけ」


「な、なるほど…?
ちなみにそのベンタってなんなのかな。食べ物とか?」


「なんだったかな。思い出せない」



ふと視線が重なる。



「思い出せないけど、この世で2番目くらいに好きってことは、おぼえてる」



好きも嫌いもなさそうな成生くんの、2番目。


それってきっとすごいものだし


1番ではないのがなんとも彼らしくて笑ってしまった。



「わたし、ベンタって名前ちょっと好きになれたかも」


「へー。おまえは2番目の女で満足するタイプか」


「ちょっ、なんでそうなるの!
成生くんひねくれすぎ!」


「2番目で嬉しそうなおまえが単純すぎ」


「じゃあ1番にしてよ!」


「鈍い奴ってよく吠えるよね」



並んで言い合えばただのクラスメイト。


どこにでもいる平凡な高校生。



そんな少年少女を引き連れ歩くは

色鮮やかな道化師たち。



その光景を見た影たちは

がらんどうの頭の中に

どこかパレードを浮かばせた。




辿り着く先が

地獄とも知らずに