「成生くん…」 声が震えて小さくなる。 成生くんにしか聞こえないくらい。 「わたし、名前…忘れちゃった」 掠れた言葉。 成生くんの瞳が驚くように大きく開かれる。 そしてなにかを飲み込むみたいに、数秒まぶたを閉じると 「ベンタ」 成生くんは 道化師たちに向けてそう放った。