「……どーした?」
成生くんが怪訝そうにのぞきこんでくる。
自分の名前を忘れる
なんてはじめての感覚に、体が硬直した。
『なに黙ってんだテメェ。
いまさら逃げるのはナシだかんな?』
眉間にシワを走らせながら近づいてくるポピィ。
そんなこと言われたってわたしにもなにがなにやら。
「え、と、ごめんちょっとまってね」
『はぁ?ずいぶん待ってやってんだろが』
「いったん静かにしてて」
『んだと?』
ポピィに迫られながら、かろうじて遊園地のチケットの存在を思い出す。
たしかあれには名前が載ってた。
急いでポケットからチケットを取り出し、確認すると
絶句した。



