「もし、この遊園地に閉じ込められて、一生出ることができなくて、おまえの心がなにかに縋らなきゃ生きていけなくなったとしたら…」
わたしの手の甲に重ねられたてのひらには熱がこもっている。
「誰よりも味方であるおれが
おまえの王子様になって結ばれてあげる」
その瞳には、静かな火が灯っていた。
心臓に穴を開けられ糸を通される感覚。
糸は、成生くんに繋がっている。
「だからあいつのために死ぬな。
生きて、おれとふたりでここから出よう」
けっして解けないよう
固く、固く
結ばれる。
「そろそろ行こーか」
手を掬われた。
真っ黒な学ランをまとって、なんだか王子様みたいな仕草。
「成生くん、ありがとう」
その背中からは返事はこなかった。
手だけが強く握られている。



