もちろんホテルなどの宿泊施設が併設されているテーマパークはこの世に存在している。
あったとして、わたしたちが使う予定はない。
そもそも望んでここに来たわけじゃないから。
「成生くん…わたしたちどうなるのかな」
「……」
「ここから、帰れるのかな」
どうして浮かれていられたのだろう。
与えられるものに奇妙なほど順応していた自分が怖い。
憧れだったおとぎ話のような空間。
お姫様になれたと錯覚してしまうほど美しい装飾品たち。
そのすべてが、わたしをこの世界に取り込むために用意された仮初めの思惑だと思うと、悲しくて胸がひどく痛んだ。
きっと、ダリの言葉も…
「先のことはわかんねーよ。何が目的なのか、何が起こるのか。ダリのやつが、おまえにどんな感情を抱いているのかも。わかんねぇけど」
成生くんのまなざしが、強くなる。



