「ま、そんなことは今どーでもいいか。
おまえ、なんかおかしいと思わねーのかよ」
「おかしいって、なにが?」
「遊園地に来て、どーしてはじめに案内される場所がこんな屋敷なんだ?」
ぶわり
肌が粟立つ音がした。
言われてみればそうだ。
普通なら、まずアトラクションへ向かうはず。
だって遊園地に来る人の大半はそれを楽しみにしてくるから。
なのにわたしたちはどうだろう。
真っ先に連れてこられたのは
園内でも一番奥まった場所にあるお屋敷だ。
「しかもなんだよ、"過ごしていただく"って。まるでおれたちが何日もここに滞在するみたいな言い方じゃねーか」
成生くんが不愉快そうに目を細める。
美しさに上書きされていた恐怖がみるみる存在を取り戻しはじめた。



