「……ダリ」
『戯れがすぎましたね
お許しください』
おどけたようにわたしから離れたダリは、スーツの襟をピシリと伸ばした。
心臓の音がいやに大きく響いている。
さっきの彼はいったいなんだったのだろうか。
わたしに…死んでほしいだなんて。
嫌われているには甘すぎて
好かれているには激しくて
ちぐはぐなダリの態度にたじろいでしまう。
『私は先に下へ行っています
あなたは気が済むまで
部屋をご堪能ください
…お相手の彼も
待っているようなので』
ダリが扉の方をチラリと見た。
視線を追えば
成生くんがおもいっきり扉の前で待機している。
腐っても乙女の部屋なのに、勝手に開けるなんて。
「ちょっと!成生くん!」
『ふふ
愛されているのですね
ではのちほど』
名残惜しそうにわたしの顎をするりと撫で、ダリの背中が消えていく。
入れ違いで入ってきた成生くんが遠慮なくベッドの上に腰掛けてきた。



