『あなたは
お姫様になりたいのですか』
頬をなぞられる。
手つきがとても優しいせいか、恐怖はまったく感じない。
『あなたは
どんな王子様と
結ばれてしまうのでしょうね』
体に腕をまわされて、強く抱きしめられる。
苦しいほどの力に息が詰まった。
『あなたが王子様と
結ばれてしまうのなら
私はきっとこんなふうに
あなたを私自身の腕の中で
殺してしまうでしょう』
どろりとした粘性の高い言葉に鼓膜を焼かれる。
『覚えていて
ご主人様』
まだ出会ったばかりなのに
わからないことばかりなのに
なぜだろう
『私はね
あなたに
死んでほしい』
──愛しすぎて、憎い
極めて危険なこの熱を
知っているような気がした。



