『まずはお二人に
これから過ごしていただく屋敷を
ご紹介いたします』
そうしてダリに連れられたのは
園内のいちばん奥にあるお屋敷だった。
道沿いに建てられている案内板には
『美森エリア』と示されている。
自然豊かなこのエリアでは小鳥がさえずり、リスなどの小動物が木の枝からこちらをのぞいている。
手入れし尽くされた花壇にはいろんな季節の花が揺れていて、蜜を吸い終えた蝶がひらひらと空を舞った。
まるでおとぎ話に出てくるような美しい景観に心が躍る。
『お気に召していただけたようですね』
「はい、すごく素敵……」
さっきまで怖くてたまらなかったのに、遊園地の一部を楽しみはじめている自分がいた。
良くも悪くも前向きで単純な性格なのだ、わたしは。



