「うっ、や、めてよ、ポピィなんてきらい、なのに」
『おまえがオレをキライなわけねェだろ?』
はぁぁ?
どっからくるのその自信!?
いまさら優しくしてきたって、ポピィにされたことは忘れてやらないんだから!
反論しようにも、その合間もくちびるに邪魔されてしまう。
死ねって言ったくせに。
わたしの命をないがしろにしたくせに。
きらい、きらい
「だいっきらい、さわん、ないで」
『それはムリだ。オレはおまえの王子様で、おまえはオレのお姫様だから』
リストバンドを指でなぞられる。
自ら繋ぎ止めてしまった糸をものすごく恨んだ。
「あなただって、わたしのこと、きらい、でしょ。そんな人とは結ばれたくない」
『どうとでも言え。おまえはもうここから出られない。一生オレのモノだからな』
「わたしの王子様を決めるのは、わたし、なの」
『いいや、おまえの王子様はオレだ』
「ポピィが王子様なんて、ぜったいやだ。もっと優しい人がいいもん」
『ならその優しい男を殺してやる。教えろよ、今すぐ殺す』
「やだ、やだやだ」
『ああ、わかったぜ?ナルセだろ。アイツ、おまえにヒデェことばっかするもんな』
「どの口が言ってるの?成生くんは大切な友達だよ!変なこと言わないで!殺させないから!」
『どうしてだ?おまえとオレの未来を邪魔する存在を消すのなんて、トーゼンのことだろ?どうして、どうしてイヤがるんだ?』
話がまるで通じない。
掠りもしない押し問答にだんだん恐怖が湧いてくる。



