噛みつくようなくちづけに、おもわず目を閉じてしまうけど
『こっち見ろ、ベンタ』
導かれるように、まぶたを開く。
ポピィの真っ赤なふたつの瞳が宝石のように輝いて、わたしを映してる。
『呼べよ、オレの名前』
「ポ、ピィ……?」
『うん。それでいい』
満足気にくちびるを吊り上げると、また口を合わせてきて、今度はたっぷり深くまで侵入してくる。
差し込まれた舌が、わたしの舌を撫でた。
先端をくるりと円を描き、欠損が治っているかたしかめるようにしつこくなぞってくる。
くすぐったさとはべつの鋭敏な感覚に腰がビクついた。
ポピィはそんなわたしの後頭部をてのひらで引き寄せ、さらにくちびるを一体化してくる。
甘い唾液を飲み干すまで離してはくれなくて、ようやく解放されたわたしはくったりとポピィの胸にもたれかかった。
「はぁ……はぁ……」
『かわいい……かわいいな、ベンタ』
「キス、なんて、わたし」
『ああ。おまえのくちびるはオレのものだ』
にんまり、笑う。
本能的な部分が警鐘を鳴らした。
あとずさろうとしても2本の腕に囲われているせいでそれは叶わない。



