わたしは、そんな彼の右手をとる。
するり
赤いビーズのリストバンドを通した。
『あ?……これ……』
ポピィが目を見開いた。
それもそのはず。
昨晩、手首と一緒に弾かれてしまったものが、どうしてここにあるのかって、疑問に思うよね。
「床に散らばってたビーズ拾い集めて、また繋げてみたの」
『……おまえ』
「全部は集めきれなかったから、わたしのリストバンドからもすこし抜き取って、付け足したんだ」
ほら、と。
自分の右手のリストバンドをポピィに見せた。
すこし隙間の増えた赤いビーズたちが、キラキラと揺れている。
ポピィの瞳が一瞬だけど、どこかつらそうに細められた。
『恥ずかしがってたのって、このことかよ』
「うん……だって」
成生くんと別れてからずっと、お屋敷でビーズを集めてたなんて、ポピィからしてみれば滑稽なことだとおもうから。
「……なんでもない。成生くんの代わりに、その、痛いことしてごめんねって気持ち……受け取ってほしい」
わたし、忘れない。
リストバンドが弾けて消えたあのときの、悲しそうな顔。
きっとポピィにとって大切なものなんだっておもうと、じっとしていられなかったの。
そのとき、ポフッと頭の上にふわふわしたものが被せられた。



