‪‬♡NAH LAND♡



そして最も自信に繋がった出来事は

その成生くんが抱きしめてくれたことだった。



わたしが聞いたのは彼の鼓動。

 
とても穏やかで優しい音をしていた。



ゲームに一発勝利した成生くん。


もし成生くんが、その安定した鼓動のままゲームを終えたとするならば?


恐怖も絶望も感じず
ただ待ち受けるものへと向かっていったとすれば?



有り得てしまうと思った。




そしてなにより
彼はわたしを抱きしめる際、わたしの耳を胸に押しつける動きをした。


まるで自分の心臓の音を聞かせるように。


それが、ヒントだというように。




だからポピィのことも利用した。


彼の手を握り、ぬくもりを感じる。


心底ムカつく道化師だけど
隣にいてくれるのはポピィしかいない。


どれだけ強く握りしめてもなにも言わなかったポピィの優しさを信じて


温もりとともに心を落ち着かせた。




それに不思議なんだ。


階段の時でもそうだけど
わたしはポピィに触れると安心するみたいで。


彼と手を繋いでいれば、高い高いあの階段も何度だってのぼることができた。



嫌いなやつだけど、相性は良いのかもしれない。


悔しいし最悪だけどね。



鼓動という
人の心理を克明に浮き上がらせるものとの対峙。



結果的に、コースターはきちんと停止した。



正解ではなくとも
わたしの推測は間違ってはいなかったんだ。




まったく本当に趣味が悪い。


死を前にして、平静でいろだなんて。


心を捨てろと言っているようなものじゃん。



こんなゲーム
ポピィのいう"イカれたやつ"しかクリアできないよ。





わたしはポピィの質問に答えないまま、ゆったりとゴールまで進むコースターに揺られていた。