「あのありが」
「すっすみません!!! ごめんね! どうしよう,大丈夫??」
「私達っごめん。ふざけすぎてた!!! ぶつけた? 2人ともっえっどうしよう。先生呼ぶ?!?」
落ちた下と上では距離があるせいか,はたまた突き飛ばしてしまった罪悪感か。
ピンピンしている私と正反対に,女の子達が同時に謝ってくれた。
「あっっ。ううん!! 全然へいき! 加賀宮くんがいたから,怪我ひとつないです。ってことだから,2人も気にせず戻っていいよ」
「えっそうなの? じゃ,じゃあ……ほんとにごめんね」
「無事でよかったよーー。加賀宮くんもありがとうーーー」
確かにヒヤッとはしたけど,事故なのは当事者の私が一番よく分かってる。
それに私も,もう少しはなれて歩けばよかった。
だからこれ以上気にして欲しくなくて,先を頷く。
「あっそうだ」
さっきは言いそびれちゃったけど
「ほんとにありがとう。ぶつかったところ,痛くない? 加賀宮くん」
抱き締められるような形で受け止められたために近い距離をそっと直す。
胸板に思いっきり落ちちゃった気がしたんだけど
「いや,特に。ちなっちゃんなら,3人くらい落ちてきても平気」



