まだ,何も言ってないのに。
どうしてフラれる前提で告白してるわだろうこの人は。
「ねぇちなっちゃん。だめかなぁ。俺,気持ち悪い? 男として見れない?」
子犬みたいに顔を傾けて,浬が返事を促す。
これでほんとにフラれると思ってるんだから,ひどい才能だと思う。
でも,これからの私の行動は,別にそれが全てではなくて。
「わたしが……いいよって,だめじゃないよって言ったら,どうなるの?」
考えたこともないように,浬はぴたりと動きを止めた。
「特に……何も? デートしたり,そういうのはあるけど。今まで通り,一緒に登下校して,家まで送って,次の日にまた笑ってくれたら」
なんて少ない望みなんだろう。
それじゃあほんとに,あんまり変わらない。
なら,本当にそれでいいなら。



