驚いてただ目を丸くするばかりで,その男の子は何も言わない。 恥ずかしい,はずかしい。 なんかいってよ,迷惑なら迷惑と,ありがたいならありがとうと。 悪口とかじゃなくて,本当に。 雨の似合う男の子を置いて,気まずくなった私は折り畳みを見せ付けるように開くと走り出した。