「ごめん。なんか」
「あ。いや。だからって別にもう落ち込んでない」
けろりと訂正されて,私も反応に困る。
わっかりずらいなぁほんとっっ。
「でも,慰めてよちなっちゃん」
「え?」
「俺と,友達になって。俺,友達いないから」
友達いないから。
なんて強烈に刺さる言葉なんだろう。
あんなにも人目を引くのに,近くには誰もいないなんてそんなわけ。
ぐるぐると思考する前で,加賀宮くんはただひたすらに私の言葉を待っていた。
いやでもそもそも助けて貰ったし……
友達って別に何人いても困らないし……
「特に何をするとかは分かんないけど。ん。いいよ,加賀宮くんと私は今日から友達っ。はいっ。それでいいでしょ?」
「名字はやだ」
名前?
あ,友達だから?
加賀宮くんの名前ってなんだっけ
「……浬?」
目の前で。
ぶわっと浬の目が見開かれる。
えっっ



