溺愛癖のあるストーカーはその分まっ直ぐみたいです。



「じゃあ雨も,好きであたってたの? ほどほどにしてよ,ほんとに。健康だけはお金で解決できないんだからねっ」



あれ,なんか私お年寄りみたいかも。



「あめ……は」



急に静かさが増して,やっぱりヤバかったかなと地雷に唇を覆う。

やっぱり何かあったのかも。



「ごめん軽率。別に」

「ふられちゃって」

「ふら,? 彼女??!」



思わず凝視する私に,加賀宮くんはそうと一言頷いた。



「それで,ショックで,よく,分かんなくなっちゃって」



闇の深そうなトーン。

くらくらと動き出す頭に,ちょっとだけ怖くてだけど心配にもなる。

加賀宮くんは結構モテるんだって,あの翌日に知った。

でも,噂好きの女子の中でも。

加賀宮くんの相手はいないんじゃないかという説が有力そうだったのに。

彼女がいたんだ。

そして,何故だかフラれてる。

聞いてよかったのかな,これ。

多分いろんな人が喉から手が出るほど知りたかった情報。

加賀宮くんにとってはかなりプライベートな情報。