「え、良くないんですか?」
「昴は問題文が分からへんねん」
あぁ……そっか。
メールでさえ平仮名ばっかりなんだもん、読めなかったりするんだろうなぁ……。
「げんだいぶんと、historyもニガテ……」
可愛い! しゅんとする昴先輩の可愛さといったら100万ボルト! あたしの心臓にビビビッとくる的な意味で!
「昴、数学は得意じゃん」
「えぇ!?」
あたしが1番苦手な数学が得意!?
キョウの言葉に昴先輩は「んー」と言いながら、少し照れ臭そうにする。
「ケーサンすれば、いいからね」
「あら。じゃあ教えてもらえば? 透」
「えっ!? いっ、いや、悪いし!」
無理です無理! バカなのバレる! いやさっきバレたけど!
「おしえてあげる」
右手を左右に振っていたあたしに昴先輩は嫌な顔ひとつせず、にっこり笑った。
ぎゅーんっと体温が上がって、あたしは俯きがちに呟く。
「は……はひ……お願いします……」
もし本当にそんなことになったら、ちょっとくらい勉強しとかなきゃだよね……。



