「透、頭悪いんやなー」
靴を履き替えてくるなり肩を震わせて笑ってきた翔太に、急いで弁解する。
「数学は苦手なのっ!」
「英語以外、赤点取ったじゃない」
「歴史と古文だって取らなかったもんっ!」
「それ以外赤点!? ははは!」
腹かかえて指差して笑うなんて……翔太って失礼!
「おい翔太、失礼だろ」
とか言いつつキョウも笑ってるよね?
「トールは、ナニがとくいなの?」
「へっ!? えっと……」
これにも慣れないと……。
昴先輩と目が合うだけで、顔が赤くなる。
「英語が……好き、です……」
「English!」
「あぁ! 透よく昴に通訳してるもんね」
「透、この前の期末は英語98点だったんですよ」
「98!? すごいやん!」
「ま……まぐれだよ」
本当に、自分でもビックリしたんだもん。
「やっぱり英語は、点数良かったんですか?」
5人で校門に向かいながら昴先輩に聞くと、首を横に振る。



