プラチナ王子



生まれた時から華よ蝶よと育てられたお嬢様の奈々と、一般家庭でのうのうと育ったあたしを比べるなって話だけどさ。


なんて言うか、あたしは男子といると楽なんだと思う。


それは奈々に対しても同じだから一緒にいるんだろうなぁ。


可愛い服や化粧品の話とか、好きな芸能人とか恋愛ドラマの話をするよりも、体を動かしたり徹夜でゲームしたり、そういう話をするほうが好きだ。



「そろそろ昼休み終わるわね。戻りましょう」


高そうな腕時計を見て言った奈々が腰を上げると、続いて男子たちも立ち上がった。


「あ、ボールあたし返してくるよっ」

「おー! 悪い、頼む」


大聖からボールを受け取って、ついてこようとした奈々に大丈夫だよと伝える。


「ちゃんと戻ってきなさいよ」

「何でサボろうとしてる前提なのかな!?」

「あら、違うの?」

「違う! ひどい!」


「透はサボり魔だからな~」と笑う男子たちにムッとしながらも否定は出来ないので、ボールを片付けに体育倉庫へ向かった。