「……ね? いい奴でしょ?」
「そうね、見直したわ」
奈々はメールか何か終わったのか、携帯を閉じると妖艶に微笑む。
「ヤキモチだったのかー」
「元気出た?」
「んー……まあ、さっきよりは」
「じゃあ、もう必要なかったわね」
「何が?」
「トール!?」
「はひ!?」
昴先輩が、いきなり目の前に現れた。
ななななな何で!?
さっきまで昴先輩が座っていたはずの席には、翔太先輩とキョウ先輩と3人の女の人しかいない。
いつの間に! てか何でっ……は!?
困惑していると、昴先輩は眉を下げて心配そうにあたしを見つめた。
「カラダわるいの!? ダイジョーブ?」
体悪い? 何が何だか、意味が分からないです……。
「す、昴先輩……あの、なぜここに……」
「ナナちゃんからメール!」
昴先輩は携帯を開いて、メール画面を見せてくる。
『今学食にいるんですけど、透がごはんを食べてくれません……。先輩から、食べるように言ってくれませんか?』
なんっじゃこりゃ!!
隣に座る奈々は口を押さえて、笑うのをこらえている。
「カラダわるくても、食べなきゃダメだよ!」
「いやあの……」
この状況を理解したものの、全くついていけないんですけど……。



