プラチナ王子


――――――…


朝のHRが始まる前、あまりの眠さにあたしは登校するなり屋上で寝っ転がっていた。


「透」

「……」

「透ってば」

「…………」

「昴先輩よ」

「どこですかぁああああ!!!」


寝っ転がっていた体を勢いよく起き上がらせると、奈々が鼻で笑う。


「嘘に決まってるじゃない」

「…………」


奈々のボケ……。



「寝不足なの?」

「んー……昨日遅くまで、昴先輩とメールしてて」


また寝っ転がって頬杖をつき、虚ろな目で登校する生徒たちを眺めた。


「ずいぶん仲いいわね」

「いや、別にフツーだよ」


だって昴先輩が相手だから特別に感じるけど、友達とするような他愛ない内容のメールだし。



夏の日差しが降り注いで、暑いというより余計に眠くなる。


「透、校門見て」

「んー?」


寝そうになった目をこすって、校門を見る。