考えたことなかった。
昴先輩にだって女の友達くらいいるだろうし、あたしはその中の1人だと思ってた。
「今まで昴に1年の知り合いなんていなかったから、逆に目立つんだよ」
そういえば1年の友達初めてって、言ってたなぁ……。
「うーん。でも、別にいいや」
「いいのかよっ!」
「特に何もされてないし。ていうか何かされても、昴先輩と友達やめるわけないじゃんっ」
「ふっ。透らしー」
笑う隼人を見て、自然と口から言葉が出た。
「隼人さ、今のままの方がモテそうだよ」
「はぁ? 何だよいきなりっ」
「何かこの前の隼人は、チャラくてしつこかったけど、今は全然」
隼人って外見はチャラいけど、本当は爽やかでスポーツマン?元気有り余ってるって感じ。
口は悪いけど、優しいのが伝わる。頑張れって、気をつけろって、言ってくれたもん。
「無駄にかっこつけたりチャラくしないで、もっと素を見せればいーのに」
「うっせーよチビ!」
隼人は照れてるのか、目を合わせようとしない。
「ぷっ」
「何笑ってんだよ!」
少し頬を染めて気恥ずかしそうに怒る隼人が面白くて、あたしの笑い声は体育館中に響いた。



