「あともう1人、すげー美少女が1年にいるみたいだけど。問題児らしくて、なかなか学校来ねぇんだよなー」
なんで3年の隼人がそんなことまで知ってるんだと思いながら、ボールを転がして遊ぶ。
「まぁ、人気あるとかどうでもいいか。お前、昴しか見えてなさそうだもんな」
そうです。あたし、昴先輩しか見えてません。
自分が人気あるなんて言われると思わなかったな……。
これが俗に言うモテ期!?
「でも気をつけろよ」
「え? 何が?」
長めの金髪を結い直していた隼人を見ると、苦笑いをしている。
何!? 何か怖いんだけど!
「お前、取り巻きに目ぇ付けられてんぞ」
「取り巻き!?」
「昴の取り巻きだよ。簡単に言えば、ファンクラブ?」
「ふぁ……ふぁん?」
あぁ……そんなものがあるなんて、さすが王子です。素敵。
じゃなくて!
「何であたしが、目付けられてんの!?」
「この前の食堂ん時に見てたんだろ。昴が透のこと、止めに来たじゃん」
「でもただの友達なんだけど」
「にしても親しくね?」
「そうかなぁ……」



