「「「ぶっ」」」
あはははは!と、大聖と金髪男以外の人は爆笑。
「透だっけ!? まじ最高!」
「まぁ、アレは隼人たちも悪かったしな~!」
腹をかかえて笑う人たちとは別に、大聖と金髪男は唖然としている。
……何か笑われるようなことした?
うーん……でもまぁ、ずっといがみ合ってるのも、良くないよね。
「あたし、別に喧嘩したかったわけじゃないです」
言いながらしゃがみ込むと、同じ目線になった金髪男が目を見開いた。
「奈々が嫌がることとか、昴先輩が傷付くようなことを、してほしくなかっただけで……」
最終的にあなた以外のイケメン集団の言葉で、堪忍袋の緒がプッツーンと切れちゃったけどね。
そして衝動的に目の前にいたあなたの股間蹴りあげちゃったんだけどね。
あ……なんか物凄く不憫になってきた……。
やっぱり本人にも謝るべきかと思っていると、大きな溜め息をつかれた。
「もういい、分かった。あれは、俺がガキだったんだよ」
「……」
え? いいの? ていうか今、自分が悪かった的なニュアンスで言った?
「でも、蹴る場所は考えろよ。死ぬかと思ったわ」
悶絶してましたもんね。
「昴先輩に嫌がらせしないなら、もう蹴りませんよ」
ニヤリと笑うと、初めて見る自然な笑顔が返ってきた。



