「あーもう……ほんとすんません隼人先輩! こいつ女だけど、ほんと男っぽくて! 許してやって下さい!」
大聖が拝むように、両手を顔の前で合わせる。
「ちょっと大聖。あたしは悪くないんだよ?」
「バカッ! お前っ、何が理由か知らないけど暴力はダメだろ! しかも股関は1番マズいだろ!?」
「再起不能にしてやろうと思って」
「コワッ! いいからまず謝れって!」
「えぇ~」
「えーじゃない!」
えー……。
大聖もしかしてこの金髪男と仲良しなの?
だってあれは、奈々と昴先輩を守るためにしたことだし……。
でもやっぱ、股関はマズかったかな? 泣きそうだったもんなぁ……。
何か、可哀想になってきた……。
金髪男に目をやると、あたしをジッと見てる。
謝りたくない、けど…………仕方ないなぁ。
あたしは金髪男の股関のあたりを見てグッと拳を握ると、「元気出して」と声を掛けてみた。
股関に罪は無いですから!